楽器の購入って、悩みますよね。
「いつまで続くかわからない習い事のために何十万円もする本物のピアノを買うのはちょっとなぁ・・」と躊躇するのは普通のこと。
理由は価格以外のところにもあります。
本物のピアノはとにかく融通が利かないのが特徴で、
- 一度搬入したらなかなか移動ができない
- 防音を考えなくてはならない
- 年に1~2回の調律が必要(1回あたり1万5000円ぐらい~)
- 湿度管理が大切
- 要らなくなった時の処分に困る
などなど・・
家電感覚で購入できる電子ピアノと違って、管理すること自体も面倒です。
これを書いているわたしも、はじめてのピアノは電子ピアノでした。
でも、その5~6年後にアップライトピアノに買い替えてもらって感じたのが、「私の場合はもうちょっと早くアップライトピアノで弾きたかったな」ということ。
このページでは、わたし自身が買い替えて感じた電子ピアノとアップライトピアノの違いをまとめてみました。
もえ
この記事で出てくる「電子ピアノ」とは、キーボードではなく88鍵の電子ピアノのことです。
一般的なピアノの場合、ピアノの白と黒の鍵盤の数を端から端まで数えると計88本の鍵盤が並んでいて、計88本の鍵盤があるピアノのことを88鍵のピアノと呼びます。
このページの目次
電子ピアノからアップライトピアノに買い替えるまでの経緯
電子ピアノから本物のピアノに買い替えた感想をお話しする前に
「どんな人が、どんな状況で、どんなピアノからどんなピアノに買い替えた感想なのか」
という背景を知ってもらうために、買い替えに到った経緯を簡単に説明します。
感想を早く聞かせて~!という方は>>スキップ
はじめてのピアノは電子ピアノ
周りに音楽経験者がいない環境で生まれ育ちました。
親戚から中古ピアノを譲ってもらうというご縁もなく、「いつまで続くかわからないし…」という親の考えもあって、はじめてのピアノは電子ピアノ。
4歳から約5~6年ほど、疑うことなく電子ピアノで練習をしていました。
そこまで練習熱心なほうではなかったと思います。
本物のピアノで練習することを勧められた小学校高学年
小学校高学年、大手音楽教室のグループレッスンからピアノの個人レッスンに移動。
新しくお世話になる個人レッスンの先生に尋ねられた質問の回答をきっかけに、本物のピアノへの買い替えを勧められました。
質問のやりとりはこんな感じ
ピアノの先生
もえ
ピアノの先生
もえ
基礎からやりたいです!!
買い替えの決定的な理由は「クラシックを弾きたかったから」
当時のわたしは実力もないのに自信だけはあって、やたらめったら難しい曲を弾きたがる積極的なタイプ。
父の趣味でショパンのCDを聴いていた影響で「わたしもショパンを弾きたい」という気持ちもありました。
そこで、新しい個人レッスンの先生は
「クラシックのピアノ曲をきちんと弾きたいという気持ちがあるなら電子ピアノでは足りないから、本物のピアノへの買い替えを検討しませんか?」
と、わたしとわたしの親を導いてくれたおかげで、電子ピアノからアップライトピアノに買い替えてもらえることになりました。
電子ピアノからアップライトピアノに買い替えた感想
電子ピアノからアップライトピアノに買い替えたのは、小学校の高学年。
買い替えてから気付いた違いはたくさんありました。
ピアノを弾くときに余計な力が入ってしまう
わたしが使っていた電子ピアノは、打鍵(鍵盤を押す)の感覚が本物のピアノの鍵盤とは全く違うもの。
本物のピアノに感じる重みとは違って、「ぬるっ」「のそっ」とした不思議な重みのある鍵盤でした(最近の良いお値段のする電子ピアノは打鍵の感覚が本物に近いものもあるみたいです)。
鍵盤の不思議な重みがもたらした影響は想像以上に大きくて、
- 弾くときに余計な力が入ってしまったり
- 弾くときの手や指の形がおかしいままクセになっていたり
本物のピアノを手に入れたわたしは、「弾き方を改善する」というマイナスからのスタート。
電子ピアノだったころは「電子ピアノだしね…」と諦められて、教えてもらえなかったことなのかもしれません。
買い替えてから一番辛かったことです。
どんな弾き方をしても同じ音がするから、音を聴いて弾く力が育たない
本物のピアノの場合、打鍵の速度(鍵盤を押す速度)や体重の乗せ方・弾き方を変えると音色が変わります。
ところが電子ピアノの場合は、いつも・どんなふうに弾いても同じ音が鳴ります。
なぜなら、電気の力で動く電子ピアノと、木でつくられている本物のピアノは音の鳴る仕組みがまったく違うから。
- 電子ピアノの場合
鍵盤を押すと録音されたピアノの音が流れる。 - 本物のピアノの場合
鍵盤を押すと内部にあるフェルトのハンマーが動いて弦をたたき、弦がたたかれて鳴った音がほかの弦や空間に共鳴してピアノの音の響きになる。
わたしの場合はどんなにひどい弾き方をしても同じ電子音しか鳴らない電子ピアノを何年も使っていたので、弾き方は・・ひどいものだったと思います。
曲の雰囲気にあわせて弾き方を変えることや、どんなふうに弾いたらきれいな音が鳴るんだろうと工夫する力はまったくありませんでした。
ペダルの踏み方が雑になっていた
電子ピアノは適当にペダルを踏んでいても「それっぽく」聴こえてしまうことが多いと言われています。
わたしもなんとなくの感覚でなんとなくペダルを踏むくせがついてしまっていたので、本物のピアノに買い替えてからはペダルが原因で音が濁ってしまうことが本当に多かったです。
癖というのは恐ろしいもので、気を付けようと意識していても「なんとなく」の感覚から抜け出すことは大変でした。
買い替えてからは苦労の連続
わたしは「クラシックのピアノ曲を弾きたい」という気持ちがあったので、電子ピアノからアップライトピアノに買い替えたあとの数年間は変な弾き方や変なクセを改善することにたくさんの時間を費やしました。
幼いころから体に染みついた間違いを正しく直すことはすごく大変。。
わがままかもしれないけど、もっと早く本物のピアノを弾けていたらと思った日もありました。
まとめ|クラシックを弾きたい・上達したいなら本物のピアノがいい!
ピアノを弾く人全員が「クラシックのピアノ曲をきちんと弾きたいか…?」といったらそうではないので、ピアノを習うからといって必ずしも本物のピアノを持つ必要はないと思います。
でも・・
- クラシックの曲をたくさん弾きたい
- 難しい曲にもどんどん挑戦したい
- もっと上手になりたい
と思っているなら、本物のピアノで練習するのが上達への近道。
もえ
さて、本物のピアノは本物のピアノでも、グランドピアノとアップライトピアノではまた違うことがあります。
ピアノの違いシリーズ、次回はグランドピアノとアップライトの違いについてお話しします。
>>「弾いてわかった!グランドピアノにできて、アップライトピアノにできないこと」