「オペラって観たことありますか?」
敷居が高くて難しそうだというイメージから、観ようとしたことすらない人が多いのではないでしょうか。
ですが、オペラの物語の内容はほとんどが恋愛ものであり、決して難しいものではなく、だれにでも受け入れられるエンタメのひとつ。
ましてやただ聴くだけとは違って、ストーリーを交えながら目で観て・耳で聴いて楽しむことができるため、実はとっても親しみやすいクラシック音楽だと言えるでしょう。
ミュージカルを好きな人はたくさんいるのに、オペラがイメージだけで敬遠されているのは残念でなりません。なので、そんなオペラの魅力についてお話していきます。
このページの目次
オペラってなに?
オペラは歌がメインの舞台。
歌がメインの舞台というと、ミュージカルを想像する方が多いかもしれませんね。それもそのはず、ミュージカルはオペラを元にして発展していったものだと言われています。
オペラがミュージカルと違うところをあげてみましょう。
- 歌い手がマイクを使わない
- セリフの部分にもメロディがある
- 伴奏としてオーケストラが使われている
- 使われている音楽がクラシック
そこまで大きな違いがないことをわかっていただけたでしょうか。
なんといっても、オペラの魅力は美しい旋律と歌のアンサンブルです。
オペラの中に登場する楽曲は“名曲”とされているものが多く、テレビ番組やCM、ドラマに使われている曲がたくさん存在しています。何気なく知っていた曲が実はオペラの曲だったということは、非常によくある話なんですよね。
では、なぜオペラの中にはすんばらしく美しい音楽があふれているのか?
それはかつての作曲家たちにとって、オペラは収入と生活がかかった勝負の作品だったからだと言われています。
かつてのオペラは、現代でいうところの「映画」のような人気の娯楽でした。いつの時代も人気のジャンルでヒット作を生み出すことがクリエイターとしての成功という事情があったんですね。オペラはお金になる音楽でした。
作曲家とオペラと収入に関する、ちょっとこみいった話は「月刊クラシック音楽探偵事務所」に掲載されていた、作曲家の吉松隆さんのお話がわかりやすくておもしろかったです。
オペラへの遙かなる道〜ヴェルディvsプッチーニ(前編)月刊クラシック音楽探偵事務所
オペラのストーリーは恋愛だらけ…!?
はじめにもお話しましたが、オペラで扱われる物語は恋愛を題材にしたものがとにかく多いです。
男と女の愛と裏切りのコメディ恋愛ものか、悲劇の恋愛ストーリーが大半を占めているので、話の内容自体が難しくてついていけないことはほとんどありません。
たとえば、数あるオペラ作品の中でも有名で、日本でも上演されることが多いヴェルディ作曲の「椿姫(つばきひめ)」という作品です。
「椿姫」は、主人公で娼婦のヴィオレッタが、社交界で出会った青年と本物の愛を育むものの、娼婦という過去のせいで彼の父に2人の関係を反対されて別れさせられてしまうという切ない恋愛のお話。
オペラのストーリーには、椿姫のような悲劇の恋愛ドラマもあれば、ツッコミどころ満載でビックリ展開が起こる喜劇と呼ばれる作品もあります。中でもモーツァルトが作曲したオペラは、話の内容を聞くだけでも衝撃的なものが多く、わたし自身とても印象に残っています。
数あるモーツァルトのオペラ作品のひとつ「コジ・ファン・トゥッテ」は2人の男が哲学者にそそのかされて、ある賭けをする話。その賭けとは、2人の男が愛してやまない彼女が他の男に心を奪われてしまわないか、一人の男を一途に愛し続けることができるか、というもの。2人の男は金持ちに変装して互いの彼女を誘惑し、愛を試すという…なんとも非道徳的なお話です。
こうして話の内容をみてみると、普段見ている映画とそんなに変わらない気がしませんか?
本当に、だれにでも楽しめる内容なんです。
オペラはこうした誰でも楽しめる物語の中で、登場人物の性格や感情にあわせた音楽が繰り広げられていく芸術です。
さいごに
ここまでオペラは誰にでも楽しめる芸術だということをお話してきました。
実際に日本で開催されているオペラの公演はというと、都心の公演に偏っていたり、チケットの価格が少し高めだったりと、はじめての人には少し敷居が高いかもしれません。
そこで、これから試しにオペラを見てみたいという方におすすめなのが
- 近くの図書館でDVDを借りる
- ライブビューイングで鑑賞する
という楽しみ方です。
ライブビューイングとは、実際にオペラ座やコンサートホールで上演された公演を、映画館で映画のように観劇できるものです。
映画館ならではの大音量・大画面で観られる上に、劇場で観るよりもリーズナブルな価格なので、はじめてでも観に行きやすいと思います(^^)
まずは、映画をたのしむように、オペラを観に行きませんか?